住宅展示場は不要⁉コロナ渦による住宅市場の変化は? ~令和3年度 住宅市場動向調査分析~

令和4年4月26日、国土交通省より『令和3年度 住宅市場動向調査の結果』が公表されました。
本コンテンツでは、注文住宅の購入者に行ったアンケートの中から項目をピックアップし、❝近畿圏❞に焦点を当てて分析していきたいと思います。

  • 1.比較検討した住宅は?
  • 2.注文住宅の購入理由は?
  • 3.施工者の情報収集方法は?

1.比較検討した住宅は?(複数回答)

注文住宅の割合は、令和3年度には急増し、過去5年間で最高値を記録しました。同様に、分譲戸建住宅と中古戸建住宅の割合も令和3年度には前年よりも大幅に増加しています。一方、分譲マンションや中古マンションの割合は、令和元年度から減少傾向にあり、令和3年度には「対象者なし」となっています。
これらの傾向は、新型コロナウイルスの流行によって、人々が住宅で多くの時間を費やすことを余儀なくされたことや、住宅ローンの低金利・減税などによる需要の増加が理由として挙げられます。
また、上記の表から、注文住宅を検討される方は、マンションはあまり検討せず、「一戸建て」にこだわりを持ち、中古戸建住宅や分譲戸建住宅も合わせて検討する傾向にあるので、注文住宅の営業は、注文住宅ならではのメリットを訴求していく必要があります。

2.注文住宅の購入理由は?(複数回答)

「新築住宅だから」「一戸建てだから」の選択理由が増加していることから、「Q.比較検討した住宅は?」でも挙げたように低金利政策、個別の住宅スペースやプライバシーの重視など、ライフスタイルの変化が需要を後押している可能性があります。
また、「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」の選択割合が令和元年度と比較し、高い割合に留まっていること、「住宅の立地環境が良かったから」の選択理由の割合が令和3年度で最も高くなっている一方で、「信頼できる住宅メーカーだったから」の選択理由は令和元年度の51.6%から大幅に減少しています。今までは信頼性や品質を重視し、優良な住宅メーカーに依頼する傾向にありましたが、住宅価格の上昇、日本経済の変化により、購入者がデザインや間取り、立地環境など、ネームバリュー以外の要素に重点を置き、生活環境の質の向上へのニーズが高まっていることを示しています。
「価格が適切だったから」の選択割合の変化(令和2年度の20.7%から上昇傾向)については、消費者の情報収集能力の向上が大きく影響していると言えます。インターネット、SNSの普及により、容易に情報を入手する事ができ、評判や口コミを確認することができるようになりました。これからも消費者がより多くの情報を手に入れることで、選択の幅が広がり、競合が激化していくでしょう。多様な選択肢が存在する中で、注文住宅として消費者が求めるより細かな要望をくみ取り、価格競争を勝ち抜いていく必要があります。

3.施工者の情報収集方法は?(複数回答)

インターネットでの情報収集は、令和元年度の25.8%をピークに減少傾向となっており、令和2年度以降は一定数の割合を保っています。また、『2.注文住宅の購入理由は?ー住宅の立地環境が良かったから』の選択割合が大幅に増加してることを裏付けるように、不動産業者を通じた専門知識やアドバイスを求める需要も確認できます。
さらに、住宅展示場での情報収集の割合は全体の約半数を占めており、デジタル技術の進歩や消費者の情報収集能力の向上があるとは言え、高額な買い物となる注文住宅の検討者は、様々な間取りやスタイルの住宅を一気に比較検討できる住宅展示場を利用していると言えます。

このコンテンツを機に、潜在的な購入者へのアプローチ、貴社の特徴や魅力の発信ツールの1つとして、住宅展示場も検討してみてはいかがでしょうか。(村上)
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参考資料:国土交通省「注文住宅 経年変化比較表」
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